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後遺障害について

高次脳機能障害の後遺障害等級と申請のポイント

交通事故で、脳を損傷した場合、「高次脳機能障害」と呼ばれる障害が残ることがあります。このページでは、「高次脳機能障害」についてご説明します。

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高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、交通事故で頭部を負傷した場合に脳の高い次元の能力に障害を残すことをいいます。
典型的な症状として、以下のような症状があらわれます。

・「怒りっぽくなった」
・「記憶ができなくなった」
・「物事の段取りができなくなった」
・「無気力になった」

重度の高次脳機能障害では、障害があることが明らかですが、軽度の高次脳機能障害では、家族には事故以前と比べて被害者の様子がおかしいことがはっきりわかる場合でも、他人である医師には分かりづらいこともあります。そのため、医師が障害を見過ごしてしまうこともあります。 事故で頭部を負傷した後、被害者の様子がおかしいと感じたら、家族が積極的に症状を医師に伝えることが大切です。

高次脳機能障害の主な症状

高次脳機能障害になると様々な症状がみられるようになります。特徴的な症状を次の4つの点に分けてご説明します。

(1)意思疎通能力(記憶力、認知力、言語力)に関する障害
(2)問題解決能力(理解力・判断能力)に関する障害
(3)作業負荷に対する持続力に関する障害
(4)社会行動能力(協調性)に関する障害

(1)意思疎通能力(記憶力、認知力、言語力)に関する障害について

高次脳機能障害となった多くの方にみられる症状として、記憶力の低下があります。忘れっぽくなり直前に話した内容も思い出せないといった症状が見られるようになります。また、人の話をスムーズに理解することが難しくなり、同じことを繰り返し伝えなければならなくなります。さらに、正しく言葉を話すことが難しくなり、「てにをは」等基本的な文法を間違えたりするようになります。このような症状のため、例えば電話や来客への対応などでも支障が生じ、満足にこなすことができなくなります。

(2)問題解決能力(理解力・判断能力)

物事を順序立てて理解することができなくなります。例えば、障害が重度の場合は、掃除をするといった単純な作業も一人でこなせなくなります。掃除をするためには、掃除機を出す、電気コードをさす、電源を入れる、掃除機をかける、電源を切る、コードを抜く、掃除機を片付ける、といった一連の手順を踏むことになります。しかし、障害があると、これらの手順を逐一指示してもらわないとできなくなるのです。軽度の障害でも、ときどき助言をしないと手順を忘れてしまい、一人で作業をこなすことが難しくなります。

(3)作業負荷に対する持続力

物事に対して、一定時間継続して取り組むことが困難になります。 1日8時間の仕事をする場合も、半分の4時間程しか取り組むことができなくなったり、障害が軽度でも通常の人より多くの休憩をしなければ、1日8時間の仕事をこなすことができなくなります。

(4)社会行動能力(協調性)

いわゆる空気を読んで行動するということが難しくなります。相手の立場や、現在の状況を考慮して適切な行動をすることが困難となり、感情のままに行動するようになります。そのため、ささいなことで急に怒り出したり、大声をあげて怒鳴ったりすることがあります。

高次脳機能障害の一般的な治療方法

頭部の外傷については、必ず手術がされるわけではありません。脳の出血の場合などは、経過を観察しながら自然と状態が治まるのを待つことも多いです。

そして、高次脳機能障害の治療は、ある程度状態が落ち着いた後に行われるリハビリが中心となります。リハビリでは、弱った脳の機能を回復させるために、簡単なことからはじめて徐々に難しいことができるようにしていきます。

治療に必要な期間については、以下のとおり、被害者の年齢により異なります。

(1)被害者が中高生、学生、あるいは成人の場合

だいたい事故から1年くらいが目安になります。

(2)被害者が子供の場合

被害者が子供の場合はまだ発達段階であるため、子供ゆえの未熟さなのか、障害による症状なのか判断することが難しい場合があります。子供特有の奔放さと思っていたところ、いつになっても協調性が身につかず、よく調べてみると高次脳機能障害であったということがあるのです。  そのため、乳児であれば幼稚園に入る頃まで、幼児では就学期まで様子をみることが推奨されます。

高次脳機能障害の後遺障害等級

高次脳機能障害については、障害の重さに応じて下記のとおり6つの等級があります。1級、2級は必要となる介護の程度、3級以下は可能な仕事の範囲で分類がされています。各等級の内容についてご紹介します。

(1) 1級1号に該当するケース

認定基準:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要する

症状:後遺障害が非常に重く、命を維持するために必要となる最低限のことも一人ではできません。「食事をとる」、「トイレをする」といった身の回りのことも一人ではできません。そのため、常に誰かが付き添って介護をする必要があります。

(2) 2級1号に該当するケース

認定基準:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要する

症状:後遺障害が重いことは1級と変わりませんが、2級の場合は食事やトイレなどの最低限のことはなんとか行うことができます。それでも、家族等が注意して見守り、頻繁に声掛けをする必要があります。1級のように常に付添う必要がないまでも、目を離すことはできない状態で、一人で外出はできません。

(3) 3級3号に該当するケース

認定基準:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができない

症状:1級、2級と違って、食事やトイレなどは一人で行うことができます。また、自宅周辺などごく限られた範囲であれば1人で外出することも可能です。
しかし、仕事につくことはおよそ不可能です。例えば、3級3号の場合は人から話をされてもその内容を十分に理解する力がありません。そのため、簡単な作業であっても、指示が理解できないため取り掛かることすらできず全く仕事になりません。

(4) 5級2号に該当するケース

認定基準:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができない

症状:ごく単純な作業の繰り返し程度に限定すれば、仕事をすることも可能な状態です。例えば「床にモップをかける」という単純作業なら理解してこなすことができます。しかし、ただ漫然と床にモップをかけることができるだけで、「隅の方までくまなくモップをかける」、「物をどかしてかける」といった判断はできませんし、作業をいつ終了していいかも、一人では判断できません。逐一、声をかける必要があるため、仕事をするには職場の理解と援助が欠かせません。

(5) 7級4号に該当するケース

認定基準:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができない

症状:仕事をすることもできるが、その能力は一般平均人の能力を明らかに下回る程度と言われる状態です。複雑な仕事はそもそもできませんし、簡単な仕事でも手順が悪く、約束を忘れるなど頻繁にミスもしてしまいます。

(6) 9級10号に該当するケース

認定基準:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限される

症状:例えば、本人や他人に危険が及びかねない仕事は制限されます。具体的には、車の運転が認められなかったり、高所作業等危険な場所での就労も認められません。また、仕事を覚えられず、何度も仕事を変えることがあります。

高次脳機能障害の後遺障害申請のポイント

高次脳機能障害が後遺障害として認定されるためには、以下の3点がとても重要です。

(1)高次脳機能障害を示す診断名がつけられていること
(2)画像上、脳に異常所見があること
(3)事故後、一定の期間、意識障害があったこと

以下、この3つの点について詳しくご説明します。

(1)高次脳機能障害を示す診断名がつけられていること

高次脳機能障害が後遺障害として認定されるためには、まず、脳に損傷を受けたことを示す診断名がつけられていることが必要です。

代表的なものとしては以下の診断名が挙げられます。

・高次脳機能障害
・びまん性軸索損傷
・びまん性脳損傷
・急性硬膜外血腫
・外傷性くも膜下血腫
・脳室内出血

これ以外の診断名でも脳に損傷を受けたことが窺える診断がされていれば問題ありません。もし、現在の診断名が高次脳機能障害に係るか否かが不明という場合は、まずは当事務所にご相談ください。

(2)画像上、脳に異常所見があること

交通事故で頭部を受傷した場合、MRIやCTで検査がされます。高次脳機能障害の認定では、MRIやCTで脳に、脳室の拡大や脳内出血などの異常所見が確認されることが、原則として必要となります。

 (3)事故後、一定の期間、意識障害があったこと

高次脳機能障害の後遺障害認定では、交通事故直後に意識障害があったかどうかが重要になります。後遺障害認定のためには、原則として、重大な意識障害が交通事故後6時間以上継続していたか、軽度の意識障害が交通事故後1週間以上継続していたことが、必要になります。

高次脳機能障害の後遺障害申請にあたっては、まず、上記の3つのポイントを確認しておきましょう。

高次脳機能障害の後遺障害申請の必要書類

高次脳機能障害の後遺障害申請においては、以下の4つの書類が基本書類になります。

(1)「後遺障害診断書」
(2)「頭部外傷後の意識障害についての所見」
(3)「神経系統の障害に関する医学的所見」
(4)「日常生活報告書」

以下では、それぞれの書類の概要をご説明します。

(1)「後遺障害診断書」

症状固定となる時期に通院をしていた病院の主治医に作成してもらう書類です。以下の3点に注意して記載してもらいましょう。

ア 後遺障害診断書左ページ「傷病名」の欄について
脳に損傷を受けたことを示す診断名を記載してもらいましょう。

イ 後遺障害診断書左ページ「自覚症状」の欄について
「物事が覚えられない」、「段取りができない」、「怒りっぽい」など具体的な症状を記載してもらってください。

ウ 後遺障害診断書左ページ「精神・神経の障害 他覚症状および検査結果」欄について
脳の損傷についての画像所見の内容と、HDS-R、WAIS-Ⅲなどの知能テスト・心理テストの検査結果を記載してもらってください。

なお、高次脳機能障害のほかに、複視や聴力障害、あるいは骨折による痛みなどが残っている場合は、それぞれ、眼科、耳鼻科、整形外科にも後遺障害診断書を作成してもらう必要があります。

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(2)「頭部外傷後の意識障害についての所見」

事故直後の救急搬送先の医師に作成してもらう書類です。上で説明したとおり、高次脳機能障害の後遺障害認定では、交通事故直後に意識障害があったかどうかが重要です。この書類は、事故直後の意識障害の有無や程度について救急搬送先の医師に証明してもらうために必要になります。

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(3)「神経系統の障害に関する医学的所見」

(1)の「後遺障害診断書」と同じ医師に作成してもらう書類です。医師からみた被害者の症状を記載してもらうもので、高次脳機能障害の具体的症状を医学的に証明するために必要になります。

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(4)「日常生活報告書」

被害者の身近な家族が作成する書類です。この書類は家族から見た被害者の具体的症状を記載する書類です。高次脳機能障害の症状には、性格変化や協調性の欠如など事故前の被害者の様子と比べてはじめてわかる症状があります。医師は、事故前の被害者を知りませんので、被害者の身近な家族が「日常生活状況報告書」を作成することで、事故以前との変化を証明することが必要になります。

高次脳機能障害の後遺障害等級は、仕事や生活にどれだけ支障が出ているかで判定されます。もし、書類の記載が不十分で、実際よりも支障の程度が軽度と判断されると、適切な等級が認定されません。そのため、「日常生活報告書」は後遺障害等級の認定において非常に重要な書類といえます。高次脳機能障害に関連する症状に絞って、可能な限り具体的にかつ丁寧に記載する必要があります。作成にあたっては専門の弁護士に相談することが重要です。

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このように、高次脳機能障害の後遺障害申請では4つの書類を準備しなければならないことを覚えておきましょう。

まとめ

高次脳機能障害の主な症状、一般的な治療方法、後遺障害等級と後遺障害申請のポイント、後遺障害申請の必要書類についてご説明しました。高次脳機能障害の後遺障害申請にあたっては、特に必要書類の記載内容が重要ですので、必ず事前に弁護士に相談してチェックしてもらいましょう。

 

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